
2025年、岡山でen’toを本格始動させた代表の中下さん。(創業は2024年)
まもなく3年目を迎える今、お客さんの多くが紹介でつながっています。
一組のご家族との家づくりが、また次のご家族へ。
そうやって続いてきた3年間と、これからのこと。じっくり伺いました。
ご紹介でつながっていった3年間
――まもなく3年目を迎えますが、これまでどのくらいの家づくりに関わってきたんですか?
新築は、引き渡しが済んだお家と今進んでいるお家を合わせて、40棟近くになります。
住宅のほかに、事務所やテナント、美容室も手がけてきました。
リフォームまで含めると、関わってきたご家族はもっと多いですね。
――お客さんは、どういう経路で来られることが多いんですか?
ありがたいことに、ほとんどが紹介なんです。
今は、8割くらいのお客さんが、どなたかの紹介で来られています。
家づくりをご一緒したお客さんが、ご友人やご家族にen’toのことを話してくださって。
そこからご連絡をいただくことが多いですね。
あとは、取引先の方からのご紹介も多いです。
一組のご家族と家づくりをご一緒すると、また次のご家族につながっていく。
そうやって現在まで続けてこれました。
――印象に残っているご縁はありますか?
全てのお客さんとのご縁が印象に残っていますよ。
ただ、最近の話でいうと、今まさに家づくりをご一緒しているお客さんが、これから住まいを考えている娘さんにen’toのことを話してくださっていて。
その娘さんをご紹介いただいて、今はプランのご相談を進めさせてもらっています。
家づくりは、人にすすめるには金額が大きい分、責任も大きい。
それでも勧めてくださるのは、やっぱり嬉しいですね。
ただその分、しっかり期待に応えないといけないなと思っています。
「ここがいい」の一言が、何より嬉しい
――家づくりをしていて、「良い家だな」と実感するのはどんなときですか?
正直に言うと、建てている最中やお引き渡しの直後にそれを実感することはあまりないんです。
とにかくお客さんの要望をどうやって形にするか、そればかり考えているので。
図面を引いて、現場に通って、決めることを一つずつ決めていく。
その途中で、できあがりを想像して「良い家だな」と思うような余裕は、なかなかないんですよね。
――実感するのは、もっと後なんですね。
そうですね。
お引き渡しをして、お客さんが住み始めて、しばらく経ってからです。
以前、家づくりを任せてくださったお客さんが、お電話したときやお伺いしたときに、「ここがいいですよ」と話してくださるんです。
実際に暮らしてみて気に入ったところを、その都度教えてくださって。
そういうお声をいただくと、「ちゃんと良いお家ができていたんだな」と思えるんです。
――住んでみて初めて分かることもありますよね。
そうなんです。
もちろん、こちらは納得したものをお渡ししています。
ただ、そのお家が本当にいい家だったかどうかは、住んでいる方にしか分からないと思うんです。
毎日の暮らしのなかで使ってみて、そこで初めて出てくる感想がある。
そのお家だからこそ生まれる感想を聞けることが、自分にとって一番嬉しいことなんだなと改めて実感しました。
信頼関係を築く上で、大切にしていること
――お引き渡しのあとも、そのような話ができる関係というのは、どうやってできていくものなんでしょうか。
大前提として、任せていただいた家づくりで、ちゃんと期待に応えることだと思います。
どれだけ関係が良くても、できあがった家に納得してもらえなかったら、その後も付き合っていきたいとは思ってもらえないですよね。
そのうえで大事にしているのが、家づくりをしている間に、何でも遠慮なく話せる関係をつくっておくことだと思っています。
打ち合わせのときも、家の話だけをすることって、僕はあまりないんです。
まったく関係のない世間話をしている時間の方が長いこともありますね。
――家づくり以外の話も、大切にしているんですね。
はい。思っていることを素直に話せる関係をつくる上では欠かせないと思っています。
それに、そういう話の中から、家づくりのヒントが見つかることも結構多いんです。
休みの日に何をしているかとか、家でどんなふうに過ごしているかとか。
お子さんがどこで遊んでいるか、みたいな話も。
たとえば「収納がほしい」と言われても、それだけだと、何をどこにしまいたいのかまでは分からないですよね。
でも普段の話を聞いていると、「だったら、ここにあった方が使いやすいな」と分かることもあります。
要望として出てきた言葉だけを見るんじゃなくて、普段どう暮らしているのかまで知ったうえで考えた方が、その方に合った家にできると思うんです。
――そうしたコミュニケーションが、en’toの家づくりそのものにもつながっているんですね。他にも意識していることはありますか?
ご要望に対して、最初から「できません」と言わないことです。
もちろん、予算のこともありますし、土地の条件で難しいこともあります。
正直、聞いた時点で「これは難しいな」と感じることもあるんですけど、その場ですぐに答えを出すことはしません。
一度持ち帰って考えたり、他のメンバーとディスカッションしながら、どうにか実現できる方法がないかを探します。
そのうえで、「こういうやり方だったら実現できます」という形でお伝えするようにしています。
――最初から「無理です」と言われると、その後も相談しづらくなりますよね。
僕らから一度そう言われてしまうと、お客さんとしては「これも言わない方がいいかな」となりますよね。
そうやって遠慮が生まれた時点で、本当に望んでいたお家からは遠ざかってしまう。
だから、できるかどうかをすぐに判断するより、まずは何でも言ってもらえる関係でいることの方がずっと大事だと思っています。
これからも、変わらずに
――創業から3年目を迎えて、これからのen’toについて考えていることはありますか。
まずは、長く続けていくことですね。
任せてくださったお客さんがいるのに、会社がなくなってしまったら、それはその方たちへの裏切りだと思っていて。
僕たちの役割は、家を建てて終わりではなく、その先の安心・安全で快適な暮らしまで支えていくことだと思っています。
en’toの家づくりは、建ってからがまた一つのスタートなんです。
実際に住み始めてから気づくこともありますし、何年か経って相談したいことが出てくることもあると思うんです。
そのときに「聞ける相手がいない」というのが一番申し訳ない。
だからこそ、これまで任せてくださった方たちのためにも、会社を長く続けていくことは大切にしたいと思っています。
――長く続けていくうえで、気をつけたいことはありますか。
いま目の前に仕事があることを、当たり前だと思わないことですね。
続けていると、仕事があることにも少しずつ慣れてしまうと思うんです。
でも、一件一件を振り返ると、誰かが僕たちを選んでくださったり、ご紹介してくださったりしたことで、今がある。
そういうことを忘れてしまうと、仕事への向き合い方も少しずつ変わってしまう気がするんですよね。
だから、今のこの感覚を忘れずに、これからも続けていきたいと思っています。
――今後何か実現したいことはありますか。
これまで関わってくださった方たちと、みんなで集まれるような場をつくってみたいですね。
岡山で一番大きな会場を借りて、ご家族みんなで来ていただいて、お子さんが楽しめるような催しもできたらいいですね。
まだ何も決まっていない話なんですが、いずれ実現したいと思っています。
――お引き渡しのあとも、そうやって会える場があるといいですね。
そうなんですよ。
お引き渡しをすると、どうしてもお会いする機会は減っていくので。
その後どんなふうに暮らされているのか、お子さんがどれくらい大きくなったのか、単純に気になるんですよね。
一緒に家づくりをした方たちなので、何かen’toがキッカケを作って、そのあとも顔を合わせられたら嬉しいなと思っています。
――最後に。これまで関わってきたお客さんに、伝えたいことはありますか。
会社を立ち上げたばかりの頃は、建築士個々では実績や経験があっても、en’toという会社には何の実績もない状態でした。
会社の名前だけを見れば、信頼できる材料は何もなかったと思うんです。
それでも僕たちを信用して、家づくりを任せてくださった。その方たちがいなければ、今のen’toはありません。
改めて、本当にありがとうございますと伝えたいです。
en’toという社名にも、ロゴの途切れることのない円にも、
そういう感謝と、お客さんとのご縁を一度きりで終わらせず、大切につないでいきたいという思いを込めているんです。
だからこそ、これまで任せてくださった方をこれからもしっかり支えていくこと。
そして、その方たちからいただいた信頼を裏切らない仕事を続けて、これから出会う方にも同じように安心して任せてもらえる会社でありたいと思っています。


