家を建てる仕事をしている人は、自分の住まいをどのように選ぶのか。
今回お話を聞いたのは、設計士の中村さん。
現在は築30年ほどの中古住宅を購入し、必要な部分をリフォームしながら暮らしています。
新築を提案する立場でありながら、なぜ中村さんは中古住宅を選んだのか。
そこには、家そのものへのこだわりだけでは語れない、住まいの選び方がありました。
今回は、中村さんの住まいへの考え方を聞きながら、家づくりにおいて本当に大切にしたいことを探っていきます。
「絶対にこうしたい」は、あまりなかった
「自分なら、どんな家を建てたいですか?」
そう尋ねると、中村さんから返ってきたのは、少し意外な答えでした。
「家に対して、“絶対こうしたい”という強いこだわりは正直あまりなくて。ちゃんと暮らせればいいな、という感覚なんです。」
設計士と聞くと、素材や間取り、デザイン、性能など、自分の住まいにも細かな理想があるのではないかと想像してしまいます。
けれど中村さんが大切にしていたのは、家そのものへのこだわりよりも、どこで、どんなふうに暮らすかということでした。
「場所とか、広さとか、お金とのバランスとか。そういうものを含めて、自分たちにとって暮らしやすければいいなと思っています。」
実際、中村さんが今の家を選んだ一番の理由も、「このエリアに住みたい」という思いでした。
新築か中古か。
注文住宅か建売か。
そうした住まいの形よりも先に、まずは暮らしたい場所を優先したとのこと。
ただ、希望するエリアは土地が少なく、新築用地もなかなか出ない地域。
そこで中村さんが選んだのが、中古住宅を購入して、必要な部分をリフォームしながら暮らすという選択でした。
「賃貸だと少し手狭。でも新築用の土地はなかなか出ない。だったら中古住宅を買って、自分たちが暮らしやすいように整えようと思いました。」
現在の住まいは、築30年ほどの住宅。
すべてを理想通りにつくり込むのではなく、必要なところに手を入れながら、今の暮らしに合う形に整えていく。
その選び方には、中村さんらしい現実的な視点がありました。
“ずっと住む家”と決めつけない
中村さんの住まいの考え方で印象的だったのは、今の家を”一生住み続ける家”とは決めきっていないことでした。
「将来的に、理想の土地が出てきたら、新築を建てる可能性もあります。」
今の家は、暮らしやすいように整えながら住む。
その一方で、これから先の暮らしが変わった時には、売る、貸す、新しく建てるといった選択肢も残しているそうです。
「最初から、一生この家に住むと決めきらなくてもいいと思うんです。」
その言葉には、中村さんらしい柔軟さがありました。
家を建てるとなると、どうしても”一生もの”と考えてしまいがちです。
もちろん、長く大切に住むことは大前提。
けれど、家族の暮らし方や働き方、子どもの成長によって、必要な住まいは少しずつ変わっていきます。
だからこそ、中村さんは“今の暮らしに合うこと”と同じくらい、“将来の選択肢を残しておくこと”も大切にしていました。
新築を建てるか。
中古住宅を買うか。
今の家に住み続けるか。
将来、住み替えるか。
その答えを最初からひとつに決めすぎず、自分たちの暮らしに合わせて考えていく。
家を暮らしの“完成形”として見るのではなく、暮らしに合わせて選び直していくものとして捉える視点が見えてきました。
中村さんが家を選ぶうえで大切にしていたのは、“何を優先するか”をはっきりさせること。
- エリア
- 広さ
- 予算
- 資産性
性能やデザインも大切ですが、中村さんにとって最優先だったのは、「住みたい場所で、無理なく暮らせること」でした。
「性能やデザインへのこだわりは、正直そこまで強くないんです。住んでいたら、ある程度どうにでもなる部分もあると思っていて。」
どれだけ理想的な家でも、暮らしたい場所から離れていたり、支払いに無理があったりすれば、日々の暮らしは落ち着かない。
家の完成度だけではなく、暮らし全体のバランスで考える。
その視点が、中村さんの住まい選びにはありました。
その家族に、フィットする選択を
お客様との家づくりでも、中村さんは「何を優先したいのか」を一緒に整理することを大切にしているそうです。
「家づくりの正解って、家族によって全然違うんですよね。」
子どもが増えて家が手狭になった。
実家の近くに住みたい。
通勤しやすい場所を優先したい。
できるだけ早く住み替えたい。
家づくりを考えはじめる理由は、人それぞれです。
だからこそ、まずは「何のために家づくりをするのか」を考えることが大切だといいます。
「僕自身が中古住宅に住んでいるからこそ、リアルに話せることもあると思うんです。」
新築をすすめるためではなく、その家族に合った暮らし方を一緒に考える。
そんな中村さんの姿勢がとても印象的でした。
おわりに
中村さんの話で印象的だったのは、家を「建てるかどうか」だけで考えていなかったことです。中村さんが中古住宅を選んだのも、「新築を建てなかった」のではなく、住みたい場所や予算、家族の暮らし方を考えたうえでの選択でした。
家づくりに、ひとつの正解はありません。
だからこそ、まずは自分たちが何を大切にしたいのかを考えること。
その考え方は、en’toが大切にしている「ベストな暮らし、100年先まで。」という想いにもつながっているように感じました。
“理想の家”を考えることは、“理想の暮らし”を考えること。
中村さんの言葉には、そんな家づくりの本質がたくさん詰まっていました。
新築、中古住宅、土地探し、間取り、予算のこと。
家づくりには、考えることがたくさんあります。
まだ具体的に決まっていなくても大丈夫です。
「自分たちにはどんな選択が合っているのか」から、一緒に整理していきましょう。
住まいのことを考えはじめた方は、ぜひ無料相談をご利用ください。


