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家づくりで最も悩むポイントのひとつが「間取り」。
回遊動線、家事楽動線、収納力など、SNSで見かける理想の間取りを参考にしながら、「自分たちの家はどうすればいいんだろう」と頭を抱える方も多いのではないでしょうか。
特に間取りは「毎日の暮らしやすさ」に直結する家づくりの核とも言えるので、余計に迷いますよね。
そこで今回は、en’toの設計士・中村さんに「後悔しない間取りの考え方」を直撃!
プロが実際の打ち合わせで意識していることを、包み隠さず聞いてみました。
Q1. 間取りを考える上で、まず何から考えますか?
設計士・中村: 大前提として、日当たりと風通しの良さは必ず確保するようにしています。
いただいたご要望の内容にかかわらず、そこだけは外せないと思っています。
できる限り日当たりのいい方向に、みんなが過ごすリビングや主要な部屋を配置するのが基本です。
——でも密集地だと、日当たりの確保が難しいこともありますよね。
設計士・中村: そうなんです。だから1階に部屋が欲しいけれど日が入りにくい、となれば、天井を少し高くして光を取り込んだり、「朝はリビングにいることが多い」とわかれば朝日が入る向きに窓を配置したり。
お客さんが1日の中でどの時間に、どの部屋で過ごすか。
そうした、ライフスタイルだけでなく、生活リズムまで聞いた上で、その時間に光が入るように窓の位置を考えています。
——間取りって、部屋の配置だけじゃないんですね。
設計士・中村: ですね。日当たりや風通しはもちろん、駐車スペースの配置、庭をどう取るか、窓の位置、そして音の配慮まで、全部間取りの中に入ってきます。
たとえば寝室と子供部屋を隣に配置しないとか、リビングの横にトイレを置かないとか。
図面を見ているだけではなかなか気づきにくいけれど、実際に暮らし始めてから「あ、音が気になる」となるケースが意外と多いんです。
だからこちらから先に配慮するようにしています。
——そういった細かい部分まで、どうやって拾っていくんですか?
設計士・中村: 最初のヒアリングで「音が気になる方ですか」と伺うようにしていますし、プランをご説明する中でお客さんから「それは気になるかも」と出てくることもあります。
そうなればまたその部分を修正したものをお出しします。
「収納が思ったより少なかった」
「日当たりが思ったより悪かった」
「リビング階段にしたら冬が寒かった」
「コンセントの位置を間違えた」
といった後悔の声は、業界全体でよく聞かれるものです。
そういった事例を設計士みんなで共有した上で、最初の提案の段階からそうならないように反映するようにしています。
プランができたら必ず設計士全員でチェックしてからお客さんにお出しするのも、そのためです。
一人の目線だけでなく、チームの経験が全部入った提案ができるのが、私たちの強みだと思っています。
Q2. 「家事しやすい間取り」って最近よく聞きますが、回遊動線があればいいんですか?
設計士・中村: 回遊動線が流行っているのはわかるんですが、全員にとって正解かというと、そうじゃないと思っています。
——それはなぜですか?
設計士・中村: 回遊動線を作ろうとすると壁が減り、収納が減ってしまうんです。
一方で、収納を増やそうとすると今度は壁が必要になり、動線を作りづらくなる。
つまり収納力と回遊性はトレードオフの関係にあるんです。
——なるほど…収納が少ないのも困りますよね。
設計士・中村: ですよね。それに、ぐるぐる回れることが必ずしも楽とは限らなくて、たとえば真ん中に廊下をポンと置いて、こちら側はお部屋、こちら側は水回りと分けた方が、むしろアクセスしやすいケースもある。
大事なのは回遊動線があるかどうかではなく、そのご家族にとって「何が楽か」を明確にすることなんです。
——「何を楽にしたいか」って、どうやって整理すればいいんですか?
設計士・中村: そこを整理するために、僕がお客さんに必ず聞くのは、
「洗濯物はどこで干しますか?」
「何時に料理しますか?その時お子さんは何をされていますか?」
「仕事から帰ってきたらまず何をしますか?」
「朝の起きてからの身支度や家を出るまでの流れは?」
といったことです。
一見、間取りと関係なさそうに思えるかもしれないけれど、その1日の動きが分かって初めて、そのご家族にとっての家事楽動線が設計できます。
子供を見ながら料理するならキッチンから子供が見える場所が近い方がいい、バルコニーで洗濯物を干したいなら階段の近くに脱衣所が来た方がいい、といったように、良い動線の定義って家族によって全然違うんですよ。
——ランドリールームも最近よく聞きますが。
設計士・中村: ランドリールームも、干すだけなのか、そこに収納までするのかによって、動線の作り方が変わってきます。
下着や部屋着をそこにしまう方もいれば、家族全員の服をしまう方もいる。
しまうものが違えば、必要なスペースも、隣に置くべき部屋も変わってきます。
だから「ランドリールームが欲しい」というご要望をいただいた時も、まずその使い方を丁寧に聞くところから始めています。
Q3. 間取りで後悔しないために、事前に知っておくべきことはありますか?
設計士・中村: よくご相談の中で出てくる後悔のパターンが、大きく3つあります。
収納が思ったより少なかった、日当たりが思ったより悪かった、そして「おしゃれだから」とリビング階段を採用したら冬が寒かった、というケースです。
——リビング階段はよく見かけますが、そういったデメリットもあるんですね。
設計士・中村: 見た目はすごく素敵なんですが、暖房効率が下がりやすくて、おしゃれと快適性のトレードオフになることがある。
だから採用される前に、そういった特性をきちんとお伝えするようにしています。
「それでもやっぱりリビング階段がいい」となれば、その上でどう対策するかを一緒に考えます。
——他に、事前に知っておいた方がいいことはありますか?
設計士・中村: たとえば「リビングの横に3畳の和室が欲しい」というご要望をいただくことが多いんですが、3畳ってシングルベッドが2台ギリギリ入るくらいの広さなんです。
親御さんが泊まりに来ても、ぎゅうぎゅうになってしまう。
どうせ作るなら4畳〜4畳半にしておくと、ご両親が泊まれる部屋にもなるし、将来お子さんが独立された後に趣味の部屋にするとか、使い方がぐっと広がります。
——将来のことまで考えるんですね。
設計士・中村: そこがすごく大事で。
他の例でいうと、たとえばお子さんが3人いるから子供部屋を3つ作りたい、というご要望もよくあります。
でも上のお子さんが小学生で、一番下がまだ1歳という場合、上のお子さんが独立される頃には一番下のお子さんはまだ高校生だったりする。
そうなると3部屋全部が同時に必要な時期って、実はそれほど長くないんです。
だから子供部屋を一部屋減らして、その分リビングを広くするとか、将来は夫婦の寝室として使えるような部屋にしておくとか、10年後・20年後の暮らしまで一緒に考えながらプランを作るようにしています。
——インスタで気に入った間取りを持ち込むお客さんも多いと思いますが。
設計士・中村: 多いですね。ただ、その間取りがそのまま再現できるケースはほとんどないんです。
敷地の大きさ、形、道路がどちら側につくかによって、家の作り方が全く変わってくる。
たとえば南側に道路がある土地と、北側に道路がある土地では、玄関の位置もリビングの向きも変わってくる。
だから「この間取りと全く同じにしてほしい」というより、「こういう暮らしがしたい」「この部屋とこの部屋は近くにあってほしい」というくらいのイメージで来ていただければ十分です。
暮らし方の細かいところは、こちらからお聞きしながら一緒に整理していきます。
おわりに
今回のインタビューを通じて感じたのは、間取りとは単なる部屋の配置図ではないということです。
日当たりや音の配慮、家事の動線、そして10年後・20年後のライフステージまで。
一枚の間取り図の中に、そのご家族の暮らし全体が凝縮されています。
「まだイメージがまとまっていない」「家族の意見がなかなか揃わない」という段階でも、ぜひ一度お話しください。
今の暮らしを丁寧に聞かせていただくことが、後悔のない間取りへの一番の近道だと、中村さんの話を聞いて改めて感じました。
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en’to(エント)は岡山県全域で注文住宅・セミオーダー住宅の提供を行う工務店です。
ご家族一人ひとりの価値観やライフスタイルを尊重し、
最善で最適な“ベストな暮らしづくり”をお客様と一緒に創り上げていきたいと考えています。
- 自分たちらしい家づくりをゼロから始めたい方
- 好みが明確でこだわりを形にしてくれる会社を探している方
- 理想と予算が合わずにお悩みの方
- 自分たちにとってどんな間取りが暮らしやすいのかまだ明確になっていない方
ぜひお気軽にご相談ください。


